以前北海道へ旅行へ行った時の話です。ホテルで宿泊していたのですが、どうも寝苦しくて目を覚ましました。時計を見ると深夜3時を指しています。何だまだ3時か、と思いつつ再びベッドに寝転がるとある特異な点に気が付きました。
電気も付いていないのに部屋が薄明るいのです。奇妙に思ってカーテンを開いてみると、そこには驚きの光景が広がっていました。空が明るくて青空すら覗いているのです。薄暗いというレベルではありません。これはもう十分に朝の風景でした。思わずもう一度時計を見ても変わらず深夜3時を指していました。
何だこれは!白夜か!?天変地異か!?世界の終わりか!?と思いましたが、後々聞いてみると北海道では当たり前の事で北海道の人達は驚きすらしていませんでした。
北海道では深夜3時から空が明るい理由
あなたがお住まいの地域でも夏は日が長く、冬は日が短いという事はよくご存知の事だと思います。その時北海道を訪れていた時は6月の下旬頃で、丁度夏至の時期でした。夏至と言えば太陽が最も北に寄り、日本でも最も太陽が出ている時間が長い日です。
太陽が出ている時間が長いという事は、日が落ちる時間も遅いでしょう。夜7時でも明るく、地域によっては夜8時でも薄暗いレベルの所もあるでしょう。ここが一つのポイント。日が落ちるのが遅いという事は、日が昇るのも早いという事です。
通常日の出時間は寝ている人も多いでしょうし意識する事も少ないでしょうが、東京でも夏至の時期には朝4時半には日が登り始めます。
夏至の頃の地球の太陽の当たり方を再現すると上図のようになります。太陽が最も北により北半球では最も太陽が出ている時間が長くなります。ここで注目すべき点は北極です。地球は約23度傾いているのでこの状態で地球が自転しても北極ではずっと太陽が当たっている事になります。実はその通りで夏至付近は北極では日が沈みません。白夜現象です。
北極圏では日が沈みませんが、北極に近い場所では夜が短く日の出が早いのです。つまり、最も北極に近い北海道は日の出が早いのです。
[参考] 日の出入り@札幌(北海道) 平成29年(2017)06月 - 国立天文台暦計算室
こちらのサイトを参考に見ても、北海道で夏至の時期には深夜3時55分には太陽が出てくる事がわかります。つまり3時台には空が明るくなっていても何もおかしい事はありません。
おわりに
北海道の朝は早い。4時ならともかく、関西では3時はまだ真っ暗な印象しかありませんので空が明るくてびっくりしました。ここまで日の出時間に地域差があるものなのですね。