2017年後半から日本でもスマートスピーカーと呼ばれる製品が各社から発売されました。Google Home、Amazon Echo、LINE の Clova など。2017年はスマートスピーカー元年とも呼べる年でした。
スマートスピーカーとは AI(人工知能)を搭載したスピーカーで、問いかけに対し適切な答えを提供してくれるアシスタントスピーカーです。調べたい事も音声で検索できます。例えば「明日の天気は?」と聞けば、現在地の明日の天気をすぐさま教えてくれるのです。
音声検索はとても便利です。では、今後未来、従来の検索エンジンで文字入力による検索は廃れていくのか?という事について考えてみようと思います。私は Google Home を所持しているので使用してみた所感を踏まえて考察してみます。
文字ベースの検索は廃れるか?
確かに音声検索の割合は増えると思いますが、文字入力による検索を廃れさせるまでにはいかないだろうと考えています。何故ならスマートスピーカーの回答も音声だからです。
「明日の天気は?」程度の質問であれば音声だけで完結できます。しかし観光のために「国営ひたち海浜公園ってどんなところ?」と聞くと Wikipedia を引用したような回答を長々と説明してくれます。いや、歴史とかそういう事を知りたいんじゃないんだよと。どんな景色が広がっているのか、アクセスは、駐車場は?というような情報を知りたいのです。写真があれば尚良い。
現状では Wikipedia のような回答しか得ることができません。もしかしたら未来はもっと詳しい情報が得られるかもしれません。しかしやはり回答は音声。ウェブサイトでは読み飛ばして必要な情報だけをすぐに得ることができますが、音声の回答は飛ばすことができません。人間はせっかちなのです。ウェブサイトの表示に1秒も待てない程にね。
では、スマートスピーカーに「おすすめの映画は?」と聞いてみます。確かに答えてはくれます。「ウェブで話題の映画は次の3本です…。」それがおすすめなのはわかった。ではそれはどんな映画?と聞くと…。
「すみません。お役に立てそうにありません。」
えぇ!?現状ではどんな映画か教えてくれませんが、未来はあらすじやレビューを音声で読み上げてくれるかもしれません。しかし、長々と音声で説明されても頭に入ってきません。自分で映画の公式サイトやレビューを見て本当に自分の興味に合う映画か調べたほうが効率が良いです。そのため、文字入力の検索が廃れる事はないと思います。
音声検索が奪うもの
「明日の天気は?」「〇〇の由来は?」「〇〇ってどういう意味?」という単純なものなら、わざわざ文字入力で検索しなくてもスマートスピーカーが回答してくれます。スマートスピーカーが普及していけば天気予報のサイトへのアクセスもなくなるでしょうし、由来など単純な情報を扱っているウェブサイトの需要もなくなるでしょう。音声検索では賄いきれない深く詳しい情報を扱っているウェブサイトが生き残っていくのだと思います。よって、文字入力の検索が廃れる事はないと思います。
音声検索が増えて変わるもの
それは検索キーワード。既に変化の兆しが見えてきています。
文字入力の検索であれば、「横浜 ランチ」というようにスペースで区切られた検索キーワードが多いです。しかし、音声検索が増えてくると「横浜でおすすめのランチは?」というような話言葉の検索キーワードが増えていきます。
おわりに
スマートスピーカーでできる事って意外と面倒な事が多いです。例えば食べログと連携して音声検索でお店を探すことができるのですが、「場所は?」「食べたいもののジャンルは?」など質問攻めになりやっと検索できたと思えば、得られたはお店の名前と評価とレビューの読み上げだけという。自分で検索したほうが早いです。人間はせっかちですから、めんどくさい事はやりません。
簡単な質問は音声検索、詳しい情報を知りたい場合は文字入力の検索というように今後未来もうまく共存していくのではないかと思っています。