ステーキやハンバーグを提供しているレストランのメニューに「インジェクション加工肉使用」と明記されている事があります。他には、やわらか加工だとか霜降り加工と書かれている事もあります。
インジェクション加工肉使用!と書かれていると国産黒毛和牛使用!というように良い肉のように感じ取ってしまうかもしれませんが、全くの逆。全然そんな事はないんですね。
インジェクション加工肉とは成型肉
安いそれなりの肉に牛脂や調味料、食品添加物を注入して人工的に「霜降り肉」に加工した肉をインジェクション加工肉といいます。インジェクションとは和訳すると注射・注入という意味です。そのままの意味だったわけですね。なので高級肉ブランドの地名ではありませんので要注意。つまり、自然のままの肉ではなく人工的に加工して肉質や風味を変化させた肉なのです。
普通に買えば高価なステーキ肉も、インジェクション加工肉なら安くすみます。レストランなのでステーキなのにやけに安いメニューがあるのはこのためです。ただ、安くすむインジェクション加工肉をお客さんにサーロインステーキのような高いイメージで売る事は違法なので、「インジェクション加工肉・やわらか加工・霜降り加工」というように明記する事が義務付けられています。
インジェクション加工肉自体は違法ではない
ある時期からインジェクション加工肉の話題が世間に出てくるようになりましたが、それは飲食店がインジェクション加工肉をお客さんに知らせず高級肉で売っていた事が発覚した為です。いわゆる食品偽装表示問題です。
インジェクション加工肉の技術は昔からあるもので、フランスにも同じような技術があるそうです。問題なのはインジェクション加工肉に高値を付けて売っていた飲食店にあります。
インジェクション加工肉の注意点
アレルギー問題
使われている原材料によっては牛乳アレルギーを引き起こす可能性があるそうです。お店のメニューやアレルギー表示をよく確認しましょう。
レアはダメ
肉の焼き加減の目安に「レア・ミディアム・ウェルダン」がありますが、インジェクション加工肉はレアで提供する事が禁止されています。
インジェクション加工肉は安い肉を繋げたりするので肉の内部に菌が入り込みやすく、菌を死滅させる為によく焼く必要があります。一般的な飲食店ではレアでの注文が出来ないようになっていると思いますが、万が一の事もあります。レアでは食べないようにしましょう。
おわりに
インジェクション加工肉は普通なら高価なお肉を安く食べられる技術。これを良しとするかは個々の判断に委ねられます。加工肉か、値が張っても本物のステーキを食べるか。インジェクション加工肉の味に付いても好みが分かれます。まずいという人もいれば、美味いという人も。食品添加物が入ってるから食べたくないという意見もありますが、肉に限らず既に様々な食品に入ってますしインジェクション加工肉だけ槍玉に挙げるのも首をかしげます。