ETC2.0とは何か?従来のETCとの違いや新機能について

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先日新東名高速道路を走行していた時に「ETC2.0限定」というような看板を目にしました。限定ってどういう事?そもそもETCに2.0なんてあったの?など色々な疑問が沸いてきました。ETC2.0って何?ETC2.0にする事でどういうメリットがあるのかという事について調べてみました。

ETC2.0とは

ETC と言えばもう馴染み深い言葉になっているのではないでしょうか。高速道路の料金所での渋滞を緩和する為に、一時停止することなく自動で料金を支払うシステムです。高速道路では紫色の看板でお馴染みです。2001年から登場し始めた ETC は2017年には普及率が9割を越えています。

ETC2.0 は従来の ETC を更に発展させたもので、2016年春から本格導入が開始されました。従来の自動料金収受だけではなく、渋滞情報や回避するルートの提示、落下物などの注意喚起、災害時支援などドライバーにとって有益な情報を教えてくれるサービスです。

ETC2.0の新機能

ETC2.0 では次のような新機能があります。

  • ITSスポットからの情報収集
  • 渋滞回避ルートの提示
  • 落下物の注意喚起、災害時支援
  • 高速道路の一時退出可能(一部地域のみ)

全国の高速道路でおよそ1,600ヶ所設置されている ITS スポットから情報収集を行い、適宜ドライバーに情報を提供します。高速道路のサービスエリアなどで、ITS スポットという看板を見たことがあるかもしれません。

ITS スポットから得た情報を基に、適宜ドライバーに渋滞情報や道路規制情報、落下物、動物注意、災害時支援などの情報を音声か ETC2.0 対応カーナビを通して画像で表示されるようになります。

そして、ETC2.0限定で高速道路の一時退出が可能になる「賢い料金」の社会実験が行われています。新東名高速道路で見た「ETC2.0限定」という看板はこの事だったのでしょう。

ETC2.0賢い料金社会実験開始

給油やトイレ休憩、食事の為に高速道路を一時退出して指定の道の駅を利用して、1時間以内に再度同じインターチェンジから同じ方向へ高速道路に乗っても高速道路を降りない場合の料金と同一になるというシステムです。サービスエリアのガソリンスタンドは高いので、下道に降りて給油すれば安く済みます。

今後導入予定の機能

ETC2.0 はまだ発展途上にあり、これから導入される予定の新機能もあります。以下のような機能が予定されています。

  • 高速道路の渋滞を避けるルートを通る事で料金割引サービス
  • 高速道路の事故などで一旦降りて再度高速道路に乗っても別途料金がかからない

高速道路で渋滞を避けるルートを通ることで料金が割引になるサービスが予定されています。迂回させる事で渋滞を緩和させる狙いがあると思われます。しかし高速道路に迂回路がある所なんて都市部に限った事で、地方においては一本しかありませんから迂回の仕様がありません。

次に、例えば高速道路で事故が発生して通行止めになった場合。通常であれば一旦降りて通行止め区間が終わった先のインターチェンジから再度入ると、新たな料金がかかります。

上の図を例とすると、インターチェンジAからインターチェンジDまで降りずに走行した場合5,810円かかりますが、インターチェンジBとインターチェンジCの間で事故が発生して通行止めになったので、インターチェンジBで降りて再度インターチェンジCから入ったとします。すると合計料金は6,260円となり、降りずに走行した料金よりも高くなってしまいます。

これが一定時間内に再度高速道路に乗った場合、降りずに走行した料金と同一価格になるという事です。しかしかなりの長距離を走行しないとこの恩恵は受けられず、短距離の場合は降りずに走行した場合のほうが高いです。

ETC2.0を導入する方法

ETC2.0を導入するには、ETC2.0対応の車載器を購入して取り付ける必要があります。既に ETC 車載器を搭載している場合は買い換える必要があります。更にフルに ETC2.0 のサービスを受けるには ETC2.0 対応カーナビも必要になってきます。

ETC2.0 対応車載器は従来に比べて価格が2倍から3倍しており、取付費とセットアップ費を含めて5万程度かかってしまいます。そこまでして導入するメリットは正直感じられません。

おわりに

ETC2.0の機能について紹介しましたが、正直微妙ですね。渋滞回避ルートや天候、この先の道の状況などは既に通信型カーナビでも教えてくれますし、Google マップでの情報収集も可能です。大きな費用をかけて ETC2.0 を導入するメリットもあまり感じられませんでした。とりあえず今は普通の ETC で十分ですね。

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