オープンソース版の無料グループウェア「Aipo」のサポートが2018年3月末で切れます。オープンソース版のダウンロードも2018年3月末で終了します。今後は Aipo のクラウド版に移行するか、オープンソース版の Aipo を使い続けるかの2択になります。サポート終了後もオープンソース版を利用する事はできますが、以後の更新はありませんし問い合わせサポートもできなくなります。
Aipo のクラウド版は有料ですので、できれば無料のまま使いたいという人も多いでしょう。しかし、使い続けるには今までパッチで提供されてきた事も自分で行わなくてはいけません。その一つが祝日設定です。年が変わるとカレンダーに祝日が表示されなくなります。
今回、さくらのVPS で運用している Aipo(Linux版) にて祝日設定を行いましたのでその方法について書き留めておきます。
祝日設定の手順
Aipo 8.1.1 用 2017年の祝日対応パッチリリースのお知らせ|無料グループウェア「アイポ」
2017年版の祝日設定は公式サイトにて提供されています。ここから設定のヒントを得る事にしました。
すると、どうやら「holidays_default.properties」というファイルが祝日設定を担っているようです。メモ帳で開いてみると次のような表記が続いています。
元日,2017-01-01
振替休日,2017-01-02
成人の日,2017-01-09
建国記念の日,2017-02-11
春分の日,2017-03-20
?
祝日名と日付を並べて書くだけという意外と単純なものでした。それがわかった所で本番設定に移ります。ここからはコンソール画面でコマンドを打ち込んでいく必要があります。
さくらのVPS のコントロールパネルにログインし、コンソールメニューから「VNCコンソール」を開きます。
/usr/local/aipo/bin/shutdown.sh
まずは稼働中の Aipo を停止します。
/usr/local/aipo/tomcat/webapps/ROOT/WEB-INF/conf/holidays_default.properties
祝日設定ファイルは通常であれば上記パスにあります。
cd /usr/local/aipo/tomcat/webapps/ROOT/WEB-INF/conf
cd コマンドで対象のディレクトリまで移動します。
cp holidays_default.properties holidays_default.properties.bk
念のためバックアップを取っておいた方が良いでしょう。
vi holidays_default.properties
祝日設定ファイルを開きます。ここに祝日名と日付をカンマで区切って羅列していけばよいのですが…。ここである問題に遭遇しました。
日本語入力ができないという。
日本語入力ができないので祝日名にローマ字入力しかできません。元旦が「gantan」ではとても残念です。
さくらの VPS のシリアルコンソール(β版)では日本語入力ができるそうですが、ログイン方法がわからず。これは詰みました。
しかし他の方法で対処する事に成功しました。それは「holidays_default.properties」を Windows 上で編集してアップロードするという方法です。以下の祝日設定を追記します。
holidays_default.properties は2017年版のパッチで配布されているものを編集します。
元日,2018-01-01
成人の日,2018-01-08
建国記念の日,2018-02-11
振替休日,2018-02-12
春分の日,2018-03-21
昭和の日,2018-04-29
振替休日,2018-04-30
憲法記念日,2018-05-03
みどりの日,2018-05-04
こどもの日,2018-05-05
海の日,2018-07-16
山の日,2018-08-11
敬老の日,2018-09-17
秋分の日,2018-09-23
振替休日,2018-09-24
体育の日,2018-10-08
文化の日,2018-11-03
勤労感謝の日,2018-11-23
天皇誕生日,2018-12-23
振替休日,2018-12-24
そして編集した「holidays_default.properties」ファイルを別のサーバーにアップします。そして以下のコマンドを実行します。
wget http://example.com/holidays_default.properties
wget コマンドはウェブサーバーからファイルをダウンロードするコマンドです。しかしダウンロードされたファイルは「holidays_default.properties.1」というように違う名前で保存されます。
rm holidays_default.properties
rm コマンドでファイルを削除し…
mv holidays_default.properties.1 holidays_default.properties
正規のファイル名に変更します。
/usr/local/aipo/bin/startup.sh
最後に Aipo を起動します。Aipo にログインして祝日が反映されているか確認してみましょう。