最近読書といえば、よほど好きな作家さんが年1,2回出す小説を読む程度でめっきり読書から離れた生活を送っています。学生時代は1時間ほど電車に揺られて通学していたので、小説をたくさん読んでいました。読書から離れた理由は、読書に時間をかけるくらいなら他の事に時間をかけるという発想が強くなった事にあります。
本を読むという事はそれ一点に集中しなくてはいけません。何かしながら読書ができたらいいなぁとは昔からよく思っていた。
そんな何かをしながら読書ができるサービスが日本で2015年7月からスタートしていました。それが「Audible」です。プロのナレーターや声優陣の方が本を朗読し、その音声データを配信するというウェブサービスです。厳密には読書ではありませんが、読書ならぬ聴書ですね。
Audible は Amazon の関連会社で、Amazon アカウントがあれば会員登録は不要です。月額1,500円のサービスですが、1ヶ月は無料体験が可能となっており、Amazon プライム会員なら要問合せで3ヶ月無料にする事ができます。
正直月額1,500円は高いと思いましたが、今回はこの Audible を無料体験してみて感じたメリットやデメリット、使い方などを紹介します。
目次
Audibleのメリット
メリットはやはりながら作業で読書ができるという事にあります。普通読書は視覚を使うものです。しかし Audible は聴覚を使います。音楽を聴くように何か作業しながら本の朗読を聴く事ができますし、食事中でも可能です。音楽代わりに車を運転しながら聴く事もできますし、端末の防水対策をしておけばお風呂で一息ついている時にも聴けます。読書に時間を100%使って一点集中しなくても良いというのが素晴らしい事です。
また、本によっては複数人による朗読で役分けがされていたり、効果音や BGM が入っているものもあります。あたかもラジオドラマやテレビアニメの音声だけを聞いている事に似た感覚を覚えます。
Audibleのデメリット
- 自分のペースで進めない
- 文字を読まないので語学学習にはならない
- 読書より頭に入ってこない
- 1冊終えるのに読むより倍以上の時間がかかる
- 品揃えはいまいち少ない
自分のペースで進めない
Audible は本の内容を朗読してくれますが、自分のペースで進める事ができません。読書には速読という技術があるように、時には速く読み進めたり、ある所は慎重に読み進める。そのような事ができません。
文字を読まないので語学学習にはならない
次に、Audible は本を聴くサービスです。当然ながら文字は読みません。文字を読まないので漢字の学習にはなりません。本を読んでいれば知らない漢字が出てきても目で見えるので覚えるかもしれません。しかし、Audible では音声ですので、例えば「ちき」と言われても何それ?という漢字になります。漢字で書けば「知己」となり、己を知る…漢字であれば意味はわかります。
読書より頭に入ってこない
あとこれが大きな欠点かもしれません。何かしながら本を聴く事はメリットでもありますが、読書より頭に入ってきません。何かしながらという事はそれ一点に意識を集中しているわけにもいきませんので聴くのも意識半分という事です。他の事に意識が傾いていれば、「あれ?物語どうなった?」と内容が飛んでしまう事になります。
1冊終えるのに読むより倍以上の時間がかかる
普通単行本の小説1冊程度なら早くて1時間、長くても2,3時間で読み終わると思います。しかし、Audible は朗読です。一体どれだけの時間がかかるでしょうか?
19時間28分!!
誰でも知っていると言ってもいいくらいの、かの名作「吾輩は猫である」を全編聴くと19時間もかかります。意識半分に聴くくらいなら普通に読んだ方が早いじゃないかという事にも気づいてしまいました。
しかし、プロのナレーターや声優さんも何時間も本を読み続けるという仕事も過酷だなぁと思いつつ、相当コストもかかっているとも想像できます。もしかしたら月額1,500円も安いのかもしれません。
品揃えはいまいち少ない
全世界には何億冊という本があると思いますが、やはり Audible 取扱冊数は少ないです。少ないと言ってもざっと見た感じ1万冊はありそうでしたが、好みの本を検索してみてもほとんどないのが実情です。なので、カテゴリやランキングを見て面白そうな本を聴くという事になります。
Audibleの使い方
https://www.audible.co.jp/
まずは、Audible 公式サイトへ行って Amazon アカウントでサインインして Audible 1ヶ月無料体験手続きをしましょう。サインインしたら Windows版、Android版、iOS版、いずれかのアプリをダウンロードしましょう。
アプリをインストールしたら、再度 Amazon アカウントでサインインして本を聴く Audible の世界の始まりです。
本を探す
早速 Audible で本を探してみましょう。
メニューを開いてコンテンツを開くとおすすめやランキングを見る事ができます。
人気のシリーズやランキングから読んでみたい本を探すのも良いですし、「カテゴリーを見る」をタップすると様々なカテゴリーから本を探す事ができます。
本を検索する
メニューからライブラリを開きましょう。画面上部の虫眼鏡マークをタップすると著者名やタイトル名で本を探すことができます。しかし、お目当ての本が見つかる事は稀でしょう…。
本を読む
上で紹介した方法で読みたい本を見つけたら、「ライブラリーに追加」ボタンをタップします。これでライブラリに作品が追加されます。
ライブラリに追加された作品をタップすると音声データがダウンロードされ、しばらくすると再生が始まります。どうやらストリーミングではなく、あらかじめ全音声データをダウンロードして再生する形式のようです。
ここで注意が必要なのは、音声データは意外と大きいのです。短い作品なら10MBくらいのものもあります。でも考えてみてください。吾輩は猫であるなんて19時間に及ぶ音声データです。そのサイズは300MBを越えています。これを 4G 回線でダウンロードしたものなら、すぐにデーター通信容量の制限を越えてしまって通信制限がかけられてしまうかもしれません。
なので、Wi-Fi 環境下で予めダウンロードしておく事をおすすめします。
ブックマーク(しおり)をはさむ
読書でも本を途中まで読んだらどこまで読んだかわかるように栞をはさみますよね。Audible でもブックマークを付けてどこまで聴いたかわかるようにできます。
ブックマークをつけるには画面右上の「+」ボタンをタップします。画面左上のメニューをタップして「ブックマークを表示」から今までのブックマークを一覧で見ることができ、途中から再生できます。
Audible の退会方法
もう一つ注意点があります。Audible は1ヶ月の無料体験期間が終わると自動的に課金されて有料契約に変わってしまいます。Amazon アカウントですから登録クレジットカードで自動決済されてしまうのです。無料体験のみで止める場合は退会処理が必要です。
退会するには Audible 公式サイトでサインインしましょう。
画面右上のメニューから「アカウントサービス」をクリックします。
アカウント設定の退会手続きで、「退会する」のリンクをクリックします。
次の画面で退会する理由を尋ねられますが、適当な理由を選んで「退会する」ボタンをクリックすれば退会処理は完了です。無料期間のみで止める場合は忘れないようにしましょう。
おわりに
デメリットが目立った気がしますが、もしかしたら Audible を使うくらいなら普通に読書したほうがまし…。という感想を抱いたかもしれません。しかし、本当にゆっくりと読書する時間なんてないけど読書したい!という人には Audible を使う価値があるでしょう。月額1,500円ですから、1ヶ月に3冊位聴く気があれば料金については元がとれます。
1,500円は高い?これについては人それぞれ思う所があると思います。やはり1回使ってみないとこの答えはわからないものです。気になるのであれば1ヶ月無料体験をやってみる価値はあると思います。
https://www.audible.co.jp/