全国どこにでもある信号機ですが、たまに特殊な信号機に出会う事があります。その一つが「歩車分離式信号機」です。
見分ける方法は信号機に歩車分離式の看板が付いています。中には時間が指定されているものもあります。
どうやら歩車分離式信号機は都市部に多く、田舎には少ないようです。一体何が違うのでしょうか?
歩車分離式信号とは?
簡単に言えば、自動車と歩行者の通行を明確に分けている信号機という事です。
普通の信号機であれば、交差点の片方が青信号になれば自動車と歩行者は同時に通行します。歩行者が優先ですから右折や左折する自動車は、歩行者が渡りきるまで待ちます。
歩車分離式信号機の場合、自動車と歩行者の通行を明確に分けているわけですから自動車は歩行者を待つ必要はありません。(ただし信号無視には要注意)
歩行者はどちらの方向にも渡る事ができます。斜めに横断歩道がある交差点では斜め横断もできます。
メリット
車と歩行者が通行するタイミングが違うので、歩行者が横断中の巻き込み事故を防ぐ事ができます。2002年に警察庁が調査を行ったところ、歩行者と自動車の事故は約7割減少する効果があったようです。
デメリット
歩行者と自動車の事故が減らせて良い事ずくめかと思いますが、デメリットもあります。
まず第一に信号待ち時間が増えます。普通の信号機では、縦横の2パターンしかありませんでしたが、歩車分離式信号では歩行者のみが渡るパターンが増えるので3パターンになります。最も長い場合、2パターン分待つ必要があります。
そして自動車のうっかり発進の恐れがあります。歩車分離式信号は普通の信号機よりも大分数が少ないです。なので歩車分離式信号があまり認知されていないのです。交差する側の信号機が赤になれば、自分は発進できるという昔の常識があるので、歩行者のみが渡るタイミングでうっかり発進が起こる可能性があります。
自転車はどの信号に従うのか?
歩車分離式信号で新たに出る疑問点として、自転車はどちらの信号に従うかという点です。
従来の信号機では自動車用も歩行者用も同時に青になっているので気にする必要はありませんでしたが、歩車分離式信号では異なります。
自転車は車の一種
自転車は軽車両に分類され、自動車の仲間として扱われます。なので原則自転車は車道の左側を走行しなくてはいけません。
なので従うべき信号は自動車用の信号となります。
ただし、例外がいくつかあります。
- 自転車が歩道を走行しても良い場合
- 歩行者用信号に「歩行者・自転車用」と指示されている場合
自転車が歩道を走行しても良い条件
原則自転車は車道の左側を走行しなくてはならないのですが、以下の条件のいずれかに当てはまる場合歩道を走行できます。ただし歩行者優先は第一原則です。
- 自転車に乗る者が13歳以下である
- 自転車に乗る者が70歳以上である
- 自転車に乗る者が体が不自由である
- 歩道に自転車歩行者道の標識がある
- 安全のために歩道を走行する事がやむを得ない
この条件に当てはまる場合、従うべき信号は歩行者用信号になります。
歩道にこのような自転車歩行者道の標識がある場合、自転車で歩道の中央から車道よりを徐行で走行できます。
明確に自転車走行場所をラインで指定されている場合、まわりに歩行者がいなければ安全な速度と方法で走行できます。
罰則
歩道走行の条件に当てはまらずに、歩道を走行した場合は実は罰則も規定されています。
3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
あまり意識されていませんが、意外に大きな罰則があるのです。