滋賀県にある島と言えば、竹生島と沖島があります。このうち現在でも人が住んでいるのは沖島のみです。竹生島へは行った事がありますが、沖島へは行ったことがありませんでした。滋賀県民でありながら沖島の事を何も知らないなという事で、沖島へ行ってみる事にしたのです。
沖島の人口は約300人。1.52km2程度の面積の島にしては多い印象を受けましたが、昭和中期には800人ほど住んでいたらしいです。沖島の歴史は平安時代にまで遡り、平安時代末期に起こった保元・平治の乱で敗れた源氏の武士7人が沖島へ渡って定住したのが始まりとされています。現在も末裔が暮らされているとか。
目次
沖島への行き方
沖島へは近江八幡市の堀切漁港から向かいます。
駐車場について
昔は観光客向けの駐車場は無かったのですが、現在では来島者専用駐車場があります。特に整備されていませんが約30台ほどは駐車できるスペースがありました。ちなみに無料ですが、管理維持費の為の寄付金は受け付けられています。
ここから約5分ほど歩くと堀切漁港に到着します。
沖島への船は約1~2時間に1本運行されています。片道500円で沖島まで船で約10分です。
こちらが船の乗り場です。意外にもかなりの人数が船を待っていました。釣り人が目立っていた気がします。また、沖島にはスーパーもコンビニもないので島民も沖島通船を利用して買い物へ出かけるようです。
船がやってきました。
船の料金は船内で支払います。現金のみです。
のどかな時間が流れる沖島に到着
沖島に初めて上陸しました。当然ですが家々がたくさんあり、船もたくさんありました。島民の皆さんの生活が確かに根付いていて本当に人が住んでいるんだなぁと実感しました。そこはまるで人里離れた静かな村という印象です。
聞こえるのは波の音と船の音、トンビの鳴き声くらい。実にのどかな空間です。
沖島には車が一台もありません。バイクもありません。その代わりに自転車がたくさんありました。車が通る必要が無いので島の道路もかなり細いです。人一人通るのがやっとなくらいの細さ。これはもうまるで迷宮です。
車はありませんが、沖島では1世帯に1台以上の自家用船があるそうです。
沖島の自販機
沖島にはコンビニはないですが、自販機はあります。飲み物やお酒は本土まで出向かなくても買えるようです。島なので映画館や山の上の自販機のように釣り上げられた値段かとおもいきや、通常料金でした。良心的。
沖島の郵便局
何と沖島には郵便局があります。ポストだけではなく、ATM も窓口もあるようでした。沖島へ行った土曜日には本土から郵便局員さんが向かって郵便物を配達、ポストの中身を回収していました。
沖島のトイレ
港のすぐ近くに公衆トイレがありました。一般家庭にしかトイレがないという事はありませんでした。
沖島の小学校
何と沖島にはかなり立派な小学校があります。人口が300人なら子どもの数もそれなりだろうと思っていました。しかし、小学生は2016年現在3人とか。本土から通学する子どももいるようですが、それでも10人そこそこ。
沖島の民宿
宿泊できる民宿もあります。外観は一般家庭とさして変わりません。
沖島のカフェ
沖島にはカフェが2件あります。
汀の精 - Cafe + Gallery
土日のみ営業のギャラリー&カフェです。外観だけでもオシャレで恐らく観光客向けな感じ。平日は予約すれば開けてくれるそうです。沖島へ向かったのは土曜日なのですが、何故か開いておらず…。
いっぷくどう
沖島の住宅街の細い路地裏にあるカフェです。かなりレトロ。コーヒーやスイーツを注文できます。
沖島の猫たち
滋賀の猫島とも呼ばれる沖島。猫も島でのんびりと生活しています。猫たちはどうやって島へ来たんだろう。
港で眠る猫。
琵琶湖を眺める猫。
岸に打ち上がった死んだ魚を食べたりして生活しているみたい。
子猫たち。
猫島と言われるほど多くの猫はいなかったと思います。今回沖島へ行ったのは3月で、暖かくなればもっと多くの猫が出てくるそうです。かわいいけど、猫に餌をあげないのがマナーです。
島での生活について
島民のおばあちゃんにお話を伺う事ができました。
Q.買い物へ行く時はどうするんですか?
A:そりゃ、船で本土へ行くんだわ。
Q.えっ!なら毎回往復1000円かかるんですか?
A:島民は片道200円で利用できるんだわ。自家用船で行くより安いよ。そこからは港にある自家用車で行くんだよ。
Q.雪は降るんですか?
A:今年(2016年)は3cmほど積もったのぉ。
Q.島の小学校を卒業したら本土へ行くんですか?
A:そうじゃ。
沖島では漁業を生業としている方が多いですが、中には本土の会社へ就職して通勤している人も。通学するにしても通勤するにしても船を1本乗り遅れたら1時間~2時間待ちというかなり大変な生活だと想像できます。
進む高齢化問題
沖島では高齢化が問題となっていて人口の半数が65歳以上という。このままではいずれ無人島に戻ってしまってもおかしくないという事で、新島民を受け付ける事業が始まっているそうです。家賃1万5千円で住めるとか。
のどかな島で暮らすのもあこがれですが、現実を見れば様々な問題で新島民は難しいでしょうね。沖島で事業を立ち上げて会社一つでも起業して成功すれば上手くいくかもしれないなぁと思いました。
おわりに
のどかな沖島でゆったりと過ごす観光も乙なものです。滋賀の猫島とも呼ばれる沖島へ、興味があれば是非!